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コラム
2018年2月26日

導体施術の機序⑧

人間のあらゆる動作には、重心が深く関与しています。それは当然のことで、地球上に存在しているあらゆる物体には重力が働いていて、その結果あらゆる物体には重心が存在する。力学のいろはのい。

スポーツのパフォーマンスでも、一瞬の重心コントロールの成否が、結果を大きく分けます。先ごろ行われた平昌での冬季オリンピックでは、随所に重心の大きな影響力を見ることができました。フィギュアスケートのジャンプの成功・不成功は、正しく踏切時の重心コントロールにかかっています。その他のスポーツでも、例えばサッカーやバスケットのフェイントやフェイクでは、相手の重心をどう狂わすか、同じく柔道などの投げ技も、ですね。野球やゴルフの打球を決めるのも、どう自分とバットやクラブの重心を移動させていって、ボールに作用させるかです。

スポーツだけに止まらず、日常の歩行においても、転倒予防のためにも、重心が適切にコントロールされることが不可欠ですね。

そして、重心をコントロールするためには、重心感知能力が必要です。つまり、重心が今どこにあるかを感知する能力。刻一刻重心は変化し続けます。この変化する重心を、リアルタイムで検出しているセンサーがあります。

ひとつは、脳の前庭。ここでは身体の傾きを感知します。次に、三半規管。ここでは加速度を感知します。次いで、足底の圧受容器。文字通り足の裏にかかる圧力を感知します。そして、全身の骨格筋中にある筋紡錘。筋力の出力を感知します。これらの受容器が感知した情報が脳に時々刻々送られて、それを脳が処理して、重心をコントロールすべく、姿勢や筋出力を調節しています。

既に行った測定で、導体の施術によって、重心動揺に改善が見られることを示すデータが得られています。これはどうしてでしょうか?

重心コントロールのためには、何といっても、時々刻々先に示した受容器からの情報が脳に送られることが必要です。言い換えれば、それぞれの受容器の感度が高いことが重要です。

例えば、足底の圧受容器の感度は、もし足底の筋や筋膜や皮膚が硬くなってるとどうでしょうか?感度は鈍りますね。

同様に、筋紡錘は?筋紡錘は筋繊維の中に埋め込まれています。筋繊維の中に埋め込まれている、微小なバネ秤と思ってください。もし筋が硬くなっていると、バネ秤の感度は落ちますね。筋紡錘の感度を上げるためには、筋の硬直を取り除く、つまり筋を弛緩させることが必要なのです。導体施術によって筋が弛緩し、筋紡錘の感度が上がった結果、重心感知能力が上がり、重心の動揺に改善が見られる、これが裏付けとなる仕組みと考えられます。さらに、導体施術では振動・波動を用いますが、これも重心感知を高める作用があると思います。



(一社)日本導体協会顧問

吉備国際大学社会科学部スポーツ社会学科教授

竹内 研